福 島 メ ソ ッ ド Ver8.01(2006.02) 福島レロレロテレマークスキークラブ トップへ戻る |
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1994年、吾妻山を背景に福島メソッドは生まれた。ゆるやかな起伏と日毎に変わる複雑な雪質、樹間の狭い林間。この地に集うXCスキーヤー達は、1980年代前半にテレマークスキーが伝わると、すぐに飛びつき、転がりながら静かに定着していった。 コロラドにはコロラドの、ニセコにはニセコのスタイルがあるように吾妻の山にあったスタイル、それが福島メソッドである。人情と温泉と奥ゆかしさが似合う、そんな滑りを提案したい。 爽快感や自然との一体感、達成感や単なる目立ちたがりなど、テレマークスキーの魅力は尽きない。でも、その昔テレマークを始めた頃は、かなり疲れるスキーだと思ったものだ。幸いにそのころは体力を持て余しぎみだったこともあり、別に問題は感じなかったものだが、年とともにちょっと考えるようになった。疲れない滑りは無いものだろうかと。 疲れる滑りの原因は、前後の体重の配分であった。テレマーク姿勢はその成り立ちからも、外足に荷重しやすい。山周りで外足により多くの負荷を掛け、切り替え時に外足一本で立ち上がるスタイルのせいで、太ももに過重な負担をかける結果となり、疲労が蓄積していたのである。両足に体重をできるだけ均等に配分し、両足で切り替えるスタイルに変更することによって太ももの疲れとは無縁となった。さらには、整地でも深雪・悪雪でも安定感が増し、ターンの切れ味も増した。まさに良いことずくめである。さすがに、レースの滑りには向いていないが、それはそれで仕方がない。 これからテレマークスキーを始める方、疲れないスキーをマスターしたい方は、是非、福島メソッドを試してみていただきたい。
・両足均等荷重を目指す。(体重を前後左右の中間に落とす様なイメージ) 足の裏は圧力を感じることはできるが、直接重さを較べることはできない。テレマーク姿勢時には前後の足の接地面積は大きく異なる。同じ様な圧力を感じるならば、確実に前に7から8割の体重がかかっている。前足の母指球を意識すれば9割以上は前にかかることになる。体軸を両足の中間に落とすためには、外足(前足)は踵よりを、内足(後足)は母子球からつま先を踏んでいるような感覚が必要である。 ・内足始動によるターン(小指に立つ) ターン始動は山側にある内足(後足)に体重を十分載せながら、ゆっくりと押し伸ばしながら立ち上がる。 内足の小指側から次の内足の小指側に移るようにターンする。一見内足の交互操作のようであるが、テレマーク
修行の順番はスキーヤーの習熟度による。一つづつ丁寧にマスターしようなどと思わないことだ。 1 はじめに ・道具になれる スキーの脱着、足踏み、屈伸 ・歩く とりあえず歩く、推進滑走 ・向きを変える 前開きステップターン、後ろ開きステップターン、キックターン ・滑走になれる 直滑降、横滑り、転び方、起き方 ・プルークボーゲン 直滑降、停止、プルークターン ・リフトに乗る 2 とりあえず ・テレマークポジション 止まった状態で、後ろ足の感覚を掴む、その場切り替え。 ・何となくテレマークターン テレマークポジションから、誘導しながら何となく山周りターンをさせる。 ・何となく立ち上がって連続ターン パラレルポジションからテレマークポジションをつくり何となくターン。 ・山周りターン 浅い角度から深い角度へ。 ・プルーク谷回り→直滑降→山周りターン 必ず直滑降を入れること、連続したターンでとにかく滑りこむ。 3 ポジションの切り替え ・直滑降での切り替え 様々なシチュエーションで、様々なスピードで。 ・内足の感覚 斜滑降と横滑りでエッジ感覚を掴む、切り替えしながら内足を意識する。 ・小回り連続ターン 切り替えに伴う腰の自然なローテーションを使って連続ターンに誘導する。 体軸の意識を持つ。様々なシチュエーションへ。 4 小指に立つ ・内足を押し伸ばす 内足を伸ばしながら体軸を切り替え、先落としを使ってターンに誘導する。 山から体を引き剥がすような感覚。 ・ひねり戻し 上半身の下半身の捻れを上下動の中で解放し、谷回りをつくる。 ・小指から小指 内足のアウトエッジの感覚を掴む。 ・小回り連続ターン リズムと変化。先行動作。 様々なシチュエーションで、様々なスピードで、 5 アウトエッジ感覚 ・エッジ感覚 斜滑降、横滑り、ギルランデ、ジャンプ ・アウトエッジ感覚 ひょうたん、リバース、片足ターン、チャールストン、小人ターン 6 雪を掘る ・レールターン 両スキーの同時操作でエッジを切り替え、サイドカーブに乗る。 ・内向、内傾、重心の移動 内足先行のレールターン始動時に、両スキーのトップを回転方向に食い込ませるような意識で、軽く内向し、重心をスキーの軌跡の内側に移しつつ、体軸を傾けていく。 ターンのマキシマム付近で内向を戻し、次のターンに入っていく。 ・ターン弧のコントロール 体軸の傾け方とターン弧の関係を覚える。 体(骨盤)の向きとターンインのタイミングでターン弧をコントロール。骨盤を起こすポジショニング。 7 それから ・ズレとキレ ターンのどの部分でもズレと切れをコントロールする練習。 ・原点回帰 どこからか細板と革靴を見つけてきて、あらゆるシチュエーションを滑る。後ろ足に軸の感覚があればクロカンでも自在に滑ることができる。 ・靴 はじめはプラスチックブーツの浅めの物がよい。アルペン経験がある場合は、アルペン上級者ならばごく浅めのブーツを選ぶこと。(スカルパならばT4、アルペン上級者ならばとりあえずどんな道具でも一応は滑れるはずだ。)それ以外はやや深め(スカルパならばT 3、体重が50kg以下または足のサイズが22.5cm以下ならば1ランク下を選ぶ。)を選ぶ。体重が100kg以上あるか身長が190cm以上ならばもう少し深め(スカルパならばT2)。アルペン未経験であまり練習する余裕(余生)が無くとりあえず簡単な山に行きたい方は深めの靴(スカルパならばT1、テレマークターンにこだわらないならば、とりあえずプルークターンがしやすい)がよい。ショップの人は利益率の高い堅めの靴を勧めることが多いが。後ろ足の足首が曲げづらいため、膝を落とすようなポジションになりやすい。これはアルペン経験者ほど顕著な現象である。靴のサイズは、必ず足のヌードサイズを測ってから選ぶこと。ヌードサイズより0.5〜1.0cm大きいサイズを選ぶ。足形に合わない場合はメーカーを換えて履き較べる。どのメーカーも同レベル程度のモデルを揃えている。どうしても合わない場合は整形タイプのインナーを使用する。プラスチックブーツは蛇腹の位置が決まっているため、大きいサイズの靴を選んでしまうとつま先立ちになり、後ろ足に体重を載せることが難しくなるためである。 ・板 ・ビンディング つま先立ち滑りで靴先を壊す奴や、履き方が解らないで靴に6つ穴をあけてしまうのは余程の阿呆である。欠点は下駄を付けると以外に値が張ることである。ケーブル式やハードタイプの物を使いたければ、 ・ストック ・堅い靴を買ってしまったのですが 柔らかい靴に買い換えなさい。と、いいたいところであるが、貧乏ならばそれも難し いでしょう。 ・スピードが苦手なんですが慣れましょう。 直滑降での切り替えを、様々な雪質・様々な斜度で練習することが効果的です。 |